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宗廟の紅葉と仁寺洞 (ソウル) [韓国]

宗廟
朝鮮時代の歴代の王や死後に王とされた追尊王とその王妃たちの木牌を祀り続ける、宗廟。
朝鮮王朝の太祖となった李成桂がソウルに都を移した際に、これまで国教だった仏教に代えて、儒教を体系化した朱子学を基盤に官僚国家体制が敷かれました。
その際、王宮(景福宮)を中心に、東側に祖先を祀る宗廟が造られました。

観覧はガイドツアーのみ(韓・英・日・中)で60分ほど。1.jpg
石碑には世界遺産であることが刻まれています。

宗廟は1395年建造で、祭礼を準備する空間と、歴代の王と王妃の神主を安置した空間の2つに分かれています。どちらの空間も独特で、ガイドのナレーションに聞き入ってしまいました。
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ところどころに見られた3線に見える石道は、中央が祖先のための「神路」、右が「王」、左は「皇太子」が歩く道。

祭礼を準備する空間
望廟楼
ネーミングの通り、祭礼に訪れた王が宗廟を眺めながら休憩する場所。
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香大庁
お香や神に告げる内容が書かれた祝文、紙でできた位牌、お供え物を保管していた倉庫。
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斎宮
王や皇太子が祭祀前日に身と心を清める場所。
斎宮内に建物が3つあり、北側は王、東側は皇太子が滞在。西側は身を清めるための建物。
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祭祀を行う7日前からは、王や祭官は飲酒歌舞が禁じられたそうです。食事もニンニクなどの香りの強いものはNGだったとか。
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周囲は木々に覆われていて、空気が澄んでいます。
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典祀庁への出口。
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典祀庁
祭礼儀式で使用される供え物や祭器、運搬用具などを準備する場所。
四角い石の上で供え物が検査され、奥の小さな四角い石では、お肉にされる前の生きた鶏や豚などに石の周りを歩かせて、肉付きなど質の良し悪しをいろいろと吟味されていたとか。
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歴代の王と王妃の神主を安置した空間
正殿
木造建築物としては世界最長で約100m。毎年5月の第一日曜日には朝鮮王族の末裔の男子が、儒教の伝統に従った儀式「宗廟祭礼」が執り行われています。
宗廟祭礼とは、神を迎える「迎神礼」、神に酒杯を捧げる「初献礼」、神を送る「送神礼」など八つの儀式から成り、それぞれに打楽器や管楽器で専用の音楽が演奏され、音楽に合わせて儀礼舞踏の「周舞」が舞い、「楽章」が歌われるそう。
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正殿は、祀る神主が増えるにつれ東へ増築が繰り返され横長になっているのが特徴。
ユニークなのは、増築の度に正殿の正面に位置する階段や通路、門、これまで見学してきた東に位置する祭礼を準備する空間の建物などすべてが、東へ東へずらされていたことです。
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神室が計19間あるので、柱は20本。増設の跡がわからないほどの統一感。

屋根には景福宮と同じく、西遊記の登場人物をモチーフにしたといわれている魔除けの像が飾られています。
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永寧殿
第2代王である定宗の位牌を祀る別廟。
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この辺りは紅葉だらけでした。
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ほとんどの木は黄色に。
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正殿楽工庁
「宗廟大祭」で演奏や舞いを披露する楽士達の待機場所。
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ここから出口までは、紅葉三昧。
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赤や黄色で染まっていました。
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1000%赤。
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橙や茶色など混じり気無しの赤か黄色。
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赤になる前のひと時のオレンジも。
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仁寺洞
王宮や宗廟が作られた時代から両班の屋敷があった街、仁寺洞 。
メインストリートである仁寺洞ギルを中心に韓国の伝統茶が飲めるカフェが多く、それが飲みたくて訪れる場所です。その他、伝統菓子や伝統工芸のお店がたくさんあります。
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レストランやカフェが集まる小道で、伝統茶が飲めそうなお店をチョイス。
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スジョングァ(水正菓): 生姜、シナモン、干し柿、砂糖で作ったお茶に、松の実を浮かせて飲む伝統茶のひとつ。干し柿が丸ごと入っています(沈んで見えませんが・・・)。薬膳茶が飲める人なら美味しくいただける味で、シナモンが効いているので体が温まります。
(韓国では葉を煎じてない飲み物も、総称して「お茶」と言ってるようです。例 > 柚子茶など)
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もち米やうるち米を使った韓菓といわれる餅菓子がお茶菓子として付いてくるお店も♪

趣のある家屋の中庭がカフェになっているお店も数軒あります。
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体を温めたり、疲労回復効果があるという緑茶系のお茶。
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効能を読み比べることに必死で、何茶を飲んだか覚えていませんが渋みがありました。

食事
        * * * * * * * *  宮中料理  * * * * * * * *

前菜: ミニ黒胡麻粥・サラダ・チャプチェ・お刺身から始まり
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チヂミ: 韓国かぼちゃ・蓮根・牡蠣
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七折坂: 牛肉、卵、五色(赤・黄・青・白・黒)に合わせた旬の野菜を細く切って炒め、真ん中のクレープに包んでマスタードソースに付けて食べます。
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肉料理: プルコギ
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肉料理: ポッサム。豚をキムチと白菜で巻いて食べます。
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海鮮料理: 焼きアワビの下には銀杏
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高麗人参の天麩羅: ハチミツがあったから食べれました・・・
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神仙炉: 牛肉、白身魚、お豆腐、卵、大根、人参、クルミ、銀杏、松の実、椎茸などをお鍋に盛り、牛肉のスープを入れて煮たもの。ものすごくあっさりした味。
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〆のご飯とチゲスープ: 全ての料理があっさりしているので残さず完食。
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デザート: 梨とオレンジ
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古都の名残が残るエリアで、風雅な景色を堪能し、伝統料理を満喫☆ 

次は、「景福宮と紅葉」です。

旅の参考文献
   
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コメント 4

Pace

前記事のような賑やかな表情もいいですが、
こういう歴史を感じさせるものにより興味をひかれます(’’)
カフェも素敵ですね~♪ 日本の、和カフェ的存在でしょうか。
そしてなんといってもお料理!!
これはとっても美味しそうですっ(^^)
by Pace (2010-12-02 23:42) 

pi

> Paceさま
ソウルで歴史観光をするのは初めてだったのですが、
ほとんどがソウルタワーから一望できる場所にあり繁華街から近いので、
もっと早く訪れておけばよかったと思いました。
古都を感じる場所も数か所あるので、歩いているだけでも楽しいですよ☆
和カフェならぬ韓カフェ?は、お茶の種類が多いのでメニュー選びに悩みます。また、別途アップ予定の韓スイーツも多いので、食いしん坊には週末ソウル日程では足りません(^^ゞ

by pi (2010-12-05 23:58) 

kuwachan

こんにちは。
韓国の紅葉も見事ですね。
歴史的な建築物と合っているような気がしますよ^^
by kuwachan (2010-12-07 13:08) 

pi

> kuwachanさま
 こんばんは。
 ソウルの紅葉は、赤より黄色が目立っていました☆
by pi (2010-12-10 01:22) 

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