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ロドス島 - 旧市街 (ギリシャ) [ギリシャ]

Rodos
ロドス島の歴史は深い。紀元前12世紀頃にド-リス人が移り住み、現在の旧市街は紀元前408年に誕生。この時代が交易の中心地として最も繁栄されていたとされます。これから約100年後にマケドニア軍撃退を記念して太陽神ヘリオスの巨像が造られました。
紀元前2世紀頃まではローマ帝国の同盟国、395年にローマ帝国が分裂し、東ローマ帝国の影響下に。654年にはサラセン人、1082年からベネチア人の支配下に。14世紀初頭に聖地防衛の拠点を失った聖ヨハネ騎士団が移住。1523年からは騎士団を追い出したトルコ軍の長い占領時代が続きます。第一次世界大戦時はイタリアの支配下、第二次世界大戦時はドイツの支配下にあり、ギリシャに戻ってきたのは1947年の大戦終結後なので、まだ最近だったりします。

旧市街
聖ヨハネ騎士団なくして語れない旧市街。騎士団が聖地奪回に向けた対イスラム世界の砦として築いた城塞とオスマントルコ軍の痕跡が残る、2つの文化が混じった街。

エレフテリアス門 -Eleftherias Gate -
 
深さ20m・幅は広い所で100mに達した壕と、全長約4km・幅は厚い所で12mもあった城壁をくぐると、新市街とはうって変わり、耳を澄ますと蹄の音が聞こえてきそうな中世の面影が漂うエリアです。道も玉砂利がぎっしり敷き詰められているところが多く、独特な空気が流れています。

騎士団に興味がある私には門をくぐった瞬間から胸が高鳴らざるえない空気でした。
 

右側に考古学博物館。
元は、高度な医療技術を誇った施療院。奥行き51mの病室にカーテンを仕切り、ベットが並び、患者には銀の食器で食事が与えられていたそう。
 

イポトン通り(騎士団通り)
騎士団長の館まで緩やかな坂が続きます。ここは馬にまたがって上り、騎士団長の気分に浸りたかったです。
 
この通りを挟んで左側が元施療院、右側には8語族の騎士が国別に構えていた住居の一部分があり、そのファサードに出身地を表す紋章があります。聖母子像がある場所に小さな礼拝堂がありました。
 
 - フランス語族の館を意味するファサード -       - 礼拝堂前 -

騎士団の構成員は騎士が500人程度、8つの騎士館グループ(フランス、イタリア、イングランド、ドイツ、アラゴン、カスティーリャ、オーベルニュ、プロバンス)が母国語によって分かれていたそうです。各グループ毎に騎士館長(戦闘の際には部隊長)がいて、全体を騎士団総長が統率。

騎士団長の館 - Palace of the Grand Masters -
中庭を囲むように建てられ、食糧や軍需品を供える地下倉庫もある館は、歴代の騎士団長が居住していたそうです。”館”というよりは、お城のような佇まい。ファンファーレが聞こえてきそうな容貌。
 
1522年のオスマン帝国の攻撃で大打撃を受けた後、1856年に火薬庫の爆発によって崩壊、20世紀前半、イタリア人がロドス島を支配していた時期に修復されたこともあり、イタリア色の濃い趣になっていました。

エントランスより階段を上がりきると”戦利品の部屋”に出ます。
 
床のモザイクはドデカネス諸島の一つのコス島から移したローマ時代のもの。どこの部屋も綺麗なモザイクで埋まっていました。

>>ラオコーンの部屋 
 
紀元前2~1世紀のロドス人作とされるヘレニズムの傑作「ラオコーン」のある部屋へ続きます。オリジナルはヴァチカン美術館に。

>>メドゥーサの部屋
 
ヘレニズム後期、前2世紀頃の作品でギリシャ神話に登場する「メドゥーサ」のモザイクが見ものです。

>>第2丸天井の部屋
 
ゴシック建築によく見られる肋材を使って、天井を支える部屋。
しっかり十字のマークが刻まれています。床のモザイクは壺や鳥、植物が描かれています。
  

>>列柱のある部屋
 
騎士達が会議をしていた場所だそうです。スレイマンが攻めてきた際には、そうとう重たい論議が行き交っていたことでしょう。。。床のモザイクは5世紀後半のもの。

>>海馬とニンフの部屋
 
9人のミューズの部屋まで、中庭を囲んでしばらく小部屋が続きます。
 
各部屋は採光され日中はランプがなくても室内が明るかったです。

 
 - ポセイドンとポリボテスの騎士の部屋 -    - 9人のミューズの部屋 -

>>中庭
 
大理石の幾何学模様で造られたモザイクの床。ここにもコス島から移されたヘレニズム時代の彫像が並んでいます。
 

騎士団長の館を背に坂を下りていくと、右手にモスクがあります。

スレイマン モスク
1523年、オスマン帝国スレイマン1世が街を征服した記念に設立。1808年に改築されました。
 
狭い通りから、オベリスクかの如くミナレットを見上げる。

スレイマン・モスクから一番広く多くの観光客が行き交う通りがソクラツース通りで、その先にイポクラツース広場があります。
 

イポクラツース広場
 

玉砂利でデコボコした道が多いので、あまり歩かなくても足も体も疲れます。
 
 

エブレオン広場
 
タツノオトシゴの噴水がある広場です。旧市街の通りや広場は、お土産物店やカフェが建ち並び、どこも観光客で賑わっています。

セント・カテリーン門
 

聖エカテリーナ門
 
イエスを抱いたマリアの両側に、聖パウロと洗礼者聖ヨハネの浮き彫りがあります。

ネコのいる風景
 

歴史散策が楽しめる旧市街。世界七不思議の歴史を持つ新市街の港。旧市街と新市街とは徒歩圏内なので、騎士や歴史に興味がある人は楽しめる島です。どこの島でも同じですが魚介類は美味しく、またトルコ市場ではトルコ料理も堪能できるので、グルメもそこそこ充実しています。サントリーニ島ミコノス島とは違った空気が流れるのどかな島で、お土産物やレストランの店員さんはフレンドリーな人が多く、リラックスできる滞在でした。

旅の参考文献
   
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